ウイニングポスト9のプレイ評価

前略、トッリです。ウイニングポスト9をプレイした感想をつらつら述べていきます。

 

1、2はシリーズ初見への前説ですので本題だけ読みたい方は3からどうぞ(スキップ無し)

 

  1. 競馬ゲームについて
  2. ウイニングポストの魅力
  3. 新要素「ライバル」
  4. その他
  5. 総評

 

 

Winning Post 9 - PS4

Winning Post 9 - PS4

 

 

 

1.競馬ゲームについて

一般的な競馬ゲームは概ね「配合→出産」と「調教→出走」の2つのサイクルを繰り返して、段階的により格式の高いレースの勝利を目指していくゲーム性になっています。

 

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シミュレーションゲームというとデジタルな数字を眺めて駆け引きする印象が強いですが「人3馬7」と言われる競馬が題材なため人間が完全にはコントロールできない馬のアナログさが程よくランダム性と噛み合って、育成シミュレーションとしての独自の良さを引き出していると言えるでしょう。

 

中でも競馬ゲームの二大巨頭としてウイニングポストともう一つ、ダービースタリオン(以下ダビスタ)という名を耳にしたことはあるのではないでしょうか。この2作品を比較しながらウイポの魅力を解説していきます。

 

ダービースタリオン

ダービースタリオン

 



2.ウイニングポストの魅力

2作品の大きな違いは時間の変化と、それに伴う人馬の変化です。

 

ダビスタは記録上の年月は過ぎていきますが、配合の要となる父親(以下、種牡馬)と調教師、騎手といった部分に関してはゲーム進行しても基本部分の能力変化が無いため、最適解のMax値とそこへのルートが変わらないゲームになっています。

最適解が変わらないということは狙った配合を延々繰り返し試すことになり、延々代重ねをしながらその都度SSRガチャを引き当てるストイックな遊びがダビスタの行き着く先だと自分は思っています。(ポケモンで何代にも渡り6V引き当てていく感じ)

またライバル馬も基本ランダムで出走してくるためプレイヤーとしてはどんなローテーションで出走すべきかが、予測ができない=考えてもムダ、と単純明快なものになっています。

 

 

一方ウイポは実際の競馬史をベースに時系列が進むので、調教師、騎手に成長と衰えがあり選択できる種牡馬も入れ替わる為年月が経つ度に最適解が変化します。

時期によっては強力なライバルが壁として立ち塞がってくるのでそれに挑むか、避けるか、どんなローテーションにするかの吟味もあります。

またプレイヤーの活躍が配合のトレンド自体にも影響しうるため、千差万別な展開に対してどう立ち回るかがウイポの遊びとなっています。

 

そのため競馬界全体の流れに乗りながら「実在した史実馬(実在馬)の栄光を再現するも良し、挫折を覆すIFも良し、オリジナルの自家生産馬で史実馬を打ち負かすも良し」とユーザーの好みで幅広い遊び方が出来る点がウイポの1番の魅力であり楽しめる部分です。

 

逆に史実馬や競馬の知識が薄い人には、人馬に感情移入しにくいしボリュームも重めかもしれません。

そういったプレイヤーの入門用として遊びやすいダビスタは上手く差別化出来てるんじゃないかというのが僕の評価です。

 

 

3.新要素「ライバル」

ウイポ9の新要素ライバルについて、以下公式サイトの説明

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ライバル関係になると、その競走馬およびその陣営が、プレイヤーに勝つために出走レースや騎手起用などを練り、独自の戦略で牙をむきます。

(中略)

ライバル対決で1着になった馬は倒した相手の強さに応じて闘志や成長度がアップし、大きなメリットが受けられます。

ある程度経営が軌道に乗るとレースもなんやらもスキップして作業的になってしまうのはシミュレーションゲームの宿命。ライバルにスポットを当てることで一戦一戦への気持ちの入れ方を変えていこうという試みでしょうか。

自分の持ち馬の注目度も伺えるのは面白いかなと思いました。

 

ただこのライバル仕様、説明通りなら勝ち馬へメリットが集中する作りになっています。

直接対決後は闘志というやる気みたいなパラメータが結果に合わせて増減するため、最初に勝った方へどんどん補正のスパイラルが働いていきます。

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もっとウイニングポスト根底の面では「強い馬が勝つ」に限らず「勝った馬が強い」という実力勘違い補正による成長が働く仕様のため、ライバル対決での成長と相まって借りを返そうとライバル対決すればするほど実力差が開く作りになっています。

 

要するに仕様が破綻している。

 

 

4.その他

その他、遊び心地に関わる部分について。

 

  • 開始年度が選択できない

1991年開始縛りのみ、8で出来ていたことが出来なくなるのはマイナス。

フラッグシップのトウカイテイオー年、サンデーサイレンス開港前夜、先の海外進出というタイミングはチュートリアルとしては物語的にもベターですが、この先10年はテイオー〜ナリタブライアンスペシャルウイーク〜オペラオーと人気も実力評価も高いライバルが3歳から古馬まで長くに渡り居座り続ける手強い時代。

まだ御守りが集まらない内から針のむしろを歩かされるゲームバランス。

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開始年度選択返して…

 

91年しか用意されてないのは恐らくチュートリアル作り込みの都合かと思いますが、多少雑でも開始年度は選択制で用意すべきだったなと来年アップグレード版のコーエー商法を憂いてしまう。

若い年代のユーザーとしては自分のハマった時代から始めたいだろうし、実況配信勢が右も左も同じ効率馬を買って進めるのは興が無い。

 

  • 御守りが悪化

前回の5段階からさらにもう1段階、虹の御守りが追加されていて体感ではトータルでの入手頻度も減っているように感じます。

またセリでも御守りが無いと買えない仕様になったため縛りプレイを強要されている、または周回引き継ぎ前提になっている。

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史実馬プレイやらせたくないなら出すなよ…

 

  • 酷いUI、没入感の無いホームメニュー

UIが悪いのは恒例としてホームメニューに絆コマンド(任意選択の精神コマンドみたいなもの)がデカデカとのさばりその裏に一枚絵が置かれているだけ。

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窮屈なだけのホームメニュー

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こういう癒しいるでしょ…

 

  • 出逢いが少ない

馬主、牧場、調教師、騎手、新しい人に出逢う手段は年数回の絆コマンドのみ。そうそう人脈は拡がらないもんだと言えばそうですが、いやこれゲームですから。序盤ほど中堅以上の騎手の手を借りたいのに依頼できない、と厳しい時期をさらに厳しくしていくスタイル。楽しく遊ばせてあげようよ?

 

  • 世界芝適正

日本の芝は軽め、重馬場や欧州芝は重めといった芝適正が新たに追加。劇的に結果が変わるというわけでは無いが、こういった特性の追加はどこに入厩させるかも含めて個人的にもニヤニヤできるので嬉しい。9唯一の良心

 

 

5.総評

ライバル要素という言葉だけが1人歩きして遊びの変革には繋がっていない。とゆうかライバル、開始年度、御守りが悪い意味でシナジーを産んでる。

縛りプレイするかも含めて幅広い遊び方が出来る点が魅力なのに、選択肢を取り上げひたすらお助け馬で効率プレイのみを強要してくる。

正直遊んでても、さっさと売って8を買ってくる方が良いのでは?という印象です。

 

以上、ウイニングポスト9のプレイ感想でした。

 

 

(余談)

90年代後半のなんかのムック本で、「WP2で凱旋門賞を勝つには、隙間レースで実績積んで実力勘違い補正を伸ばせ!!」って言う度に「蹄鉄」が何度も飛んでくるコラムがあったんだけど誰か知りません?